研究

【活動報告】研究発表のためのプレゼンテーションセミナー 2020年4月18日

タイミング的に今更な感じがしますが,4月にSEEDSプログラムに参加する理系高校生向けの「研究発表のためのプレゼンテーションセミナー」で講師を務めてきましたので報告します.

セミナー講師の依頼は,2017年2018年,2019年に引き続き4回目となります.
今年は,所属が阪大から摂南大に変わったので,謝金の仕組みとかがこれまでと少し異なっていました.

今年は何といってもCOVID19感染拡大防止のため,学生はオンラインでの参加となりました.

例年と同様の内容でセミナーを行うために,以下のような工夫をしました.
ご協力いただいたSEEDSプログラムのスタッフの先生方に感謝です…

  • 相棒の先生と自分,スタッフは広い教室に集合し,換気・ソーシャルディスタンスに配慮しつつセミナーをZOOMで配信.
  • 講師が学生のリアクションを確かめるために,各学生はカメラをオンにしてもらい,教室のスクリーンの向かいに配置した大型モニターに学生の顔を映し出す.
  • 大型モニターの上に配信用カメラを設置して,プロジェクターでスクリーンに投影した資料と講師の映像を配信.
  • 資料は事前にpdfで配布し,学生はカメラ越しにスクリーン上の資料を見て,見えにくいところは手元の資料を参照する.
  • ZOOMのブレイクアウトセッション機能を使い,例年通りの学生同士のグループワークも行う.
  • ブレイクアウトセッション内には,あらかじめ班分けした学生だけでなく,グループ数分用意した教員用PCを割り当てておく.教員用PCは教室に分散配置し,講師・スタッフは物理的に各PCの前に移動して「半仮想的・半物理的に机間巡視」.

実際の様子はこのような感じ↓

受講生の声(アンケートより)

Zoomでの講義だと、パソコンやタブレットの画面を長時間見ることになってしまうので、休憩時間を多くとっていただけたのがよかったです。

→相棒の大工先生の配慮ですね.講義する側は教室を歩き回りながら授業しているので,画面を見続ける学生の辛さに気づきにくい時もあるかもしれません.

今まで、プレゼン特に喋ることに関して苦手意識を持っていましたが、今日の講義を受け、着実に乗り越えようという意思が湧いてきました。プレゼンの5つのテクニックを意識しながら、自分が喋ることでいっぱいにならず相手に伝えることを目標として頑張っていきたいなと思います。

→「5つのテクニック」は,大学教育において私の師匠である佐藤先生(大阪大学全学教育推進機構教育学習支援部)から学んだ技法です.阪大に進学したらぜひ授業を受けてほしい!

他の人のプレゼンテーションを見たり、講義を聞いて、自分の改善点にたくさん気づけました。

→ZOOM上でのグループワークに挑戦した甲斐がありました!

質問ですが、先生方はどのように緊張を乗り越えていらっしゃいますか?私はどうしても、緊張すると言葉につまったり噛んでしまったりします。

→昔から音楽をやっていたからか,実はあまり人前で緊張しないのですが,初めての国際学会の口頭発表では,さすがに緊張しました.しかし,学会出発前に研究室のセミナーで2回(その練習のためにさらに複数回),日程中にホテルの部屋などで十数回ほど発表の練習をしていたので,本番もうまくこなすことができました.口頭発表で緊張して言葉に詰まったり,噛んだりしてしまう人は,リハーサルも当然大事ですが,話す内容を絞り込んで,時間的な余裕をもってゆっくりしゃべるようにする(間をつくる)のも大切です.
前半でも紹介しましたが,レポート(論文),ポスター,口頭発表では発表の目的も性質も異なるはずで,特に口頭発表では詰め込みすぎないことが重要です.あと,レーザーポインタは緊張すると震えてみっともないので,ほとんど使いませんね.

質問:今までプレゼンテーションでしてしまった大失敗を聞いてみたいです。

→プレゼンテーション中の失敗ではないのですが,口頭発表のスライドを完成しきらないうちに学会に参加してしまったことがありました.日程の長い学会で後半の発表だったので,会場やホテルで少しずつ触って完成させたのですが,発表前日にパソコンが壊れてしまい,データを取り出せなくなりました.持参したUSBには,学会に出発する前の状態のスライドしか入れてなかったので,急遽親しい先生にパソコンを借りてお急ぎで作り直しました.
それ以降,あたりまえのことですが,発表スライドはあらかじめ完成させておき,USBメモリやクラウドへのバックアップもとるように気を付けています.
あと,あまり関係ありませんが,国際学会での口頭発表で座長から「Professor Nakaya」と紹介されて,最初のスライドのところで「私はDoctoral studentですが発表させていただきます」といったところ会場から小笑いがおきたことがあります.今思えば,「Professorになる予定の中屋です」くらい言っておけばよかったかなと後悔しています.

 

また,オンライン開催については,

  • 相手の反応を直接キャッチ出来ないのは短所ですが、その代わり自分の意見を普段より緊張せずに表現出来ることや、スムーズさは、とても良かったと思います。とても新鮮で、楽しいです。
  • 想像以上にしっかりと講義を聞いたり、グループワークができたりして良かったです。
  • 大阪大学までの通学時間が省けたのはよかったと思います。 オンラインでもグループディスカッションが充分にできたと感じました。 ですが時々音声が乱れたりすることもあったので、そこはオンラインの欠点ではないかと思いました。
  • 時々音が飛んだり、スライドが見えづらいこともあったが、基本的にはやりにくさは感じなかった。時差を感じることがありましたが、思っていたよりもスムーズに進めることができました。

というコメントも.
まず参加者の学生がPCやZOOMの機能に熟達してること,スタッフの先生方の協力に感謝です.事前準備には時間がかかりましたが,当日は私も正直こんなにスムーズに例年通りの内容を実現できるとは思っておりませんでした!

以上,報告でした!